exhibition archive | 小山陽子 "Renée, la lune"
小山陽子 "Renée, la lune"
2008.11.22(sat) - 12.13(sat)
小山陽子の新作の"Renée, la lune"は、"she, sheep"、"no dark"から続く、作家自身の部屋の暗闇を捉えた写真で構成される作品です。注視し続けなければ、決して浮かび上がってくることのないイメージ。今回小山は、自身の闇へ向かう意識を、マルゲリーテ・セシュエーの報告する分裂病の少女、ルネに重ねるかたちで説明を試みます。現実の世界を取り囲む、底知れぬ非現実の世界に気づいたとき、人間の精神はバランスを欠き、頼りなく振動し、崩壊に向かい始めます。ルネは、自身を取り囲む非現実の途方もない深みを、光の国と名づけ、それと抗い続けていくことになります。小山の凝視める闇は、絶望を象徴するそれではなく、むしろ、絶望から脱するための糸口のようなものなのです。


会期:
2008年11月22日(土)~12月13日(土) 月・火曜日休み 13:00~19:00